三作目ともなると事件とかそのほかの複雑性が出てきて、雑な話、ばーっと泣けてばーっとここが感情が高まるシーンですよ、って作るのが難しいのかなぁと思った。
あれを本で読むと、それまで連綿と続いてきたシリーズの(少なくともその本が出た当時では)最新作としての(今までよりずっと複雑に絡み合ってて面白い・読み応えがある、みたいな)面白さがあったのかなぁ、と思わなくもないが、過去シリーズがあったとはいえ、かなり久しぶりの買い切り型勝負みたいな映画では不利そうだよなというか、そういう単純な映画ばかりなのも良い土壌ではないだろうからまあそれはいいんだけども、浅い映画
ばーっと泣けるシーンは最初にめちゃくちゃ詰め込んでて、オープニングタイトルのところまで、これからの映画の期待値がむくむくと上がって、わくわくさせる作りと見せ方でよかったな。
容疑者Xの献身がすごいよくて、ボロッボロ泣いて。めちゃくちゃ好きで、「最愛」もカラオケでよく歌うようになって。めちゃくちゃ良かったんで真夏の方程式は映画館で見に行って、よかったんだけど「また女の人を庇うために男の人が頑張るやつかー」って同じ構図が二回続いたことに不満があって。その二作を通った後の今作だったので、途中「まーーーーーーた女を守るために男が手を汚すやつか」って、かなーーーーーーりテンション下がったんだけど、いやっ、うーん、ギリギリ逸らして、努力は垣間見えたので、下げたテンションは少し持ち直させましたが。ちょっと、東野圭吾(さん)はそういうのしか書けんのか、って思っちゃった。
ずん飯尾さんの演技はめちゃくちゃよかった。芸人さんモードの時と役者さんでもアンナチュラルの時のしか知らなかったんで、あの迫力だと正直あの人がずっと沈黙を貫く、取り調べ室ではあんまり展開がなく、ジリジリと真相を掴むために外で奔走して最後にはなんとか掴み取るみたいな映画を最初は期待してしまった。
色々難しくて皆がハッピーエンドの大団円にはならないけど、その中でもなんとか最善を掴めたんじゃないかって、そう見せるような良い結末だった。